故人を見送る葬式の意味とは~心づもりの時間を少しでも長くとる家族葬
大切な方とのお別れに直面すると、誰もが普段とは違った心境になるものです。
もし、心をおちつけ、お別れを受け入れられないまま過ごしてしまうと、いつまでも悔やんでしまったり、後悔がどんどんと浮かんでしまったりして、普段の暮らしへ戻ることが難しくなるかもしれません。
一時的に悲しみを感じるのは良いことですが、いつまでも悲しみのまま暮らし続けることは、あなたにとっても、残された方々にとってもけっして良いこととは言えません。
大切な方を忘れるわけではなく、受け入れて進んでいけるようにすることが必要だと思います。
今回は、故人を想いながら現実を受け入れ、前に進むために必要なお葬式についてお話していきます。
1: お見送りする葬式の意味
故人との別れは悲しいことです。そのためご家族や近親者、ご友人などの心は一時的に整理がつかない状態になることもあります。
悲しみに打ちひしがれ何もする気がおきないという方もいらっしゃいますし、ショックで何も考えられないという方もおられることでしょう。
悲しみの感じ方は人によって様々ですが、総じて申し上げられることは、お別れによってどなた様の心の中も落ち着かなくなるということです。
「あれをやっておけば、これをやっていれば」というように後悔が強くなり、いつまでも悲しみの真ん中で生活をすることもありえます。
このような落ち着かない状態のままお別れし、暮らしを続けていくと、心や体に不調をきたす場合も出てきます。
おそらく先人たちも同じ思いをしたのでしょう。こういった悲しみを乗り越えるために、心の整理をつける方法として「葬式」というセレモニーが執り行われるようになったのだと思います。
葬式は「無くてもいい」と考える方もいらっしゃいますが、残された方々が故人の死をきちんと受け入れ心を整理し、明日から前を向いて生きていくためには大切なことなのです。
2: 良いお見送りにするポイント
それでは、心の整理をつけやすい良いお見送りをするために知っておきたいポイントをご紹介していきます。
(1)宗派などを知っておく
良いお見送りをするためには、ご家族によって違いのある「宗派」を知っておくことが大切です。
あまり細かく気にされない方なら問題ありませんが、家族は良くてもご親戚の中には気にされる方もいらっしゃいます。
「○○宗」というのが日本にはありますので、まずはそこから知ることが大切です。違う宗派のお坊さんにお葬式を執り行ってもらっても問題はありませんが、ここは「気持ちの部分」なので配慮する方が良いでしょう。
(2)葬儀の形を知っておく
最近は葬儀の形も多様化しています。
従来と同じように、ご家庭でお通夜から葬儀、出棺まで行われる形もあれば、広いセレモニーホールで葬儀を行われることもあります。
また、ご家族や、親しい人だけで静かに葬儀をされる「家族葬」という形もあります。
どの葬儀が一番良いのかというランク付けはありません。どの葬儀でも問題ありません。
大切なことは、故人の気持ちと、残された方々の気持ちを汲んで選ぶことです。
(3)葬儀社選びも大切
良いお見送りをするためには、葬儀を仕切って段取りしてくれる「良い葬儀社」の存在が欠かせません。
葬儀はやることがたくさんありますし、残された方々だけですべてを行うのは大変です。
経験と知識があり、さらに突然のことにも機転を利かせて対応できる柔軟なプロフェッショナルさも必要です。
葬儀は「大金を使えば良いお見送りになる」ということはありません。それよりも、費用に見合った理想の葬儀が滞りなく最後まで進み、残された方の気持ちが整理できるように配慮してくれる葬儀社が重要です。
(4)あなたが納得できるかどうか
理屈ではありません。どちらかと言いまして感情の部分です。
そのため「これが正解」というアドバイスがしづらい部分です。
葬儀は、普段あまりお会いしない人も話に加わってきます。ご遺族だけの希望を通すと角が立つこともあります。
親族からは理解されにくいことも出てきます。
でも、良いお別れをするためには、あなたが最後まで納得して「よかった」と感じられることが大切です。
3: 見送る方の気持ちを大切にする家族葬
大きな葬儀をする特別な理由がない場合。
ご家族や本当に親しかった方だけで静かに葬儀をされたい場合、家族葬がおすすめです。
というのも家族葬には、次のようなメリットがあるからです。
(1)家族葬のメリット
少人数での葬儀のため、準備や連絡、そして参列者への気遣いなどが軽減されます。
また、故人の知り合いであっても、残された家族にとっては全く知らない人が突然登場して慌てるということもかなり減ります。
そして家族葬の一番のメリットは、親しい間柄の方たちと、気兼ねなく故人の思い出話などをしながらゆっくりと過ごせることでしょう。
こういった時間を持ち、お互いに生前のお礼を伝えながら、楽しかったエピソードなどを語り合うことで、故人の死を受け入れ心の整理も徐々についていきます。
(2)家族葬のデメリット
メリットのあることには、必ずデメリットもあります。
- 小さな葬儀を親族が理解してくれない
- 葬儀に呼んでもらえなかった
- 大勢で見送るようにしたかった
- 不義理だ
このような不満を持つ方もいらっしゃいます。
こちらとしては、静かに気心の知れた方たちと最後の時間を一緒に過ごしたかっただけなのですが、そのようにご理解いただけないこともあります。
家族葬を選ばれる場合は、葬儀後どのようにお知らせするのか、どのように反対気味の親族へ伝えるのかなど、経験や知識が必要になってきます。
こういった葬儀とは直接関係のない部分にも理解があり、対処の方法を知っている家族葬を得意とする葬儀社を選ぶと、あなたの悩みも解決するでしょう。
4: 家族葬の流れや費用と注意点
家族葬だからと言いまして、葬儀の流れが大きく変わることはありません。
一般的な仏式であれば、次のような流れになります。
- お通夜
- 葬儀
- 告別式
- 出棺
- 火葬
次に気になるのが費用だと思います。
家族葬の費用ですが、これは地域によって異なります。
例えば、わたし「仏心葬祭」の場合なら、おおよその目安として30万円からということになります。
家族葬の場合の費用で注意していただきたいのは、小さな葬儀だから安いとは限らないことです。
必ず葬儀を依頼するときには、先に見積もりを提示してもらい、どのようなことが追加費用になるのかを聞いておいていただきたいです。
また、家族葬の費用以外にも、お布施や返礼品、葬儀が終わってからお送りする喪中はがきなど、細かな出費もあります。
場合によっては、永代供養に必要な費用などが出てくるかもしれません。
葬儀費用だけではなく、それ以外に必要なことも一緒に見ておきましょう。
5: まとめ
お葬式は、心の整理をつけるために必要なことだと思います。
ぜひ、最後の時間をゆっくりと一緒に過ごせる、良いお見送りにしていただきたいと思います。
あなたの心を整理する助けに、今回の話が役立ちましたら幸いです。