家族葬とは?知っておきたいメリットデメリットと葬儀社の選び方
葬儀に少しでも関心を持たれているなら「家族葬」という言葉をお聞きになったことがあると思います。
最近は家族葬を選ぶ人も増えてきており、多くの葬儀社のプランで見ることができます。
今回は「家族葬」についての説明と、家族葬が向いている方、メリットやデメリットについて紹介していきます。
1: 最近耳にする家族葬とは
(1)家族葬とは
家族葬とは言葉のとおり、家族(または家族のように近い関係の人)を中心として行う小さなお葬式のことです。
故人と生前に深い関わりがあり、また残されたご家族とも知り合いであり、故人との思い出や記憶を通してお別れを共有できる、気兼ねなく静かに最後のときを過ごせる葬儀の形式です。
家族葬の場合、参列者は1人~30人くらいで、一般的な葬儀と同じように宗教者をお呼びすることがほとんどです。
家族葬の流れは、一般的な葬儀と基本的には同じです。
お通夜の翌日に告別式を行い、その後は火葬をします。
(2)家族葬のニーズが広まる理由
昔の葬儀は家族や親族、お住まいの地域が一体となっておこなう、ある意味コミュニティーでの関係性を強くする働きがあったと思われます。
しかし昨今の家族構成や地域での関わり方は変化したため、親族や地域住民同士の関係性は希薄なものへと変化しています。
また、長寿へと変化したため、葬儀に呼ぶような知人も少なくなり、昔のように盛大な葬儀を行う必要があるのか、という理由もあるでしょう。
さらに、これは「わがまま」な理由かもしれませんが、故人しか知らない方を相手に長時間おもてなしするのは大変つらいもの。共有できる話もなく、そもそも相手の方と故人がどういった関係だったのかわからないため、何をどう切り出せば良いのかわからないという苦痛からも解放されます。
このようなニーズによって家族葬は広まっているのだと考えています。
(3)家族葬はどれくらい行われているのか
全国的に家族葬が知られるようになったのは、1990年後半から2000年だったと記憶しています。
現在、首都圏などでは家族葬が5割を超えているという話もあります。反対に郊外では地域でのルールが色濃く残っているため、家族葬を選びたくても親族や近隣住民から同意してもらえないということも存在しているようです。
家族葬は増加傾向にありますが、まだまだ「一般的」ではないと言えるでしょう。
2: 家族葬のメリットとデメリット
それでは次に家族葬のメリットとデメリットを見ていきましょう。
家族葬のメリット
(1)費用が少ない
葬儀に金額を持ち出すなんて!というご意見もあるでしょう。しかし一般的な葬儀を行うと平均で196万円以上するという報告も出ています。
約200万円という費用ですから、ポンと簡単に出せるものではありません。生前からコツコツと葬儀資金として貯金されているなら別ですが、ほとんどの場合葬儀は突然やってくるもの。
予想していないタイミングで「200万円必要です」というのは、これからのライフプランを大きく変化させないといけなくなるかもしれません。
しかし家族葬なら一般的な葬儀よりも費用を抑えることができます。
例えば、仏心葬祭の場合ですと30万円から家族葬が行えます。
弔問の方がどこかから聞きつけて多数お見えになり返礼品を増やしたとしても100万円を超えることはないでしょう。
(2)飲食費や返礼品が自由になりやすい
気心の知れた人だけで行う葬儀ですから、見栄も過剰なおもてなしも必要ありません。
故人との思い出の料理や、いつも故人が使っていたお店を使っても良いのです。
また、返礼品も気心の知れた人だけであれば、用意しないという方法もありです。
一般的な葬儀ですと、飲食費や返礼品の費用は地味に増えていく傾向にあります。葬儀の追加費用の原因になりやすい部分ですが、家族葬なら反対に低くなる可能性もあるのです。
(3)ゆっくりとお別れできる
お金の話ばかりしてきましたが、家族葬のメリットで一番なのは故人との最後の時間をゆっくりと過ごせることでしょう。
無理に気遣う必要のある人がいるわけでもなく、参列者は思い思いのスタイルで故人との時間を過ごすことができます。
また、お互いに故人との思い出話をすることで現実を受け入れ、前に進む力をもらえるはずです。
家族葬のデメリット
(1)親族や近隣住民とのトラブル
家族葬に招かれる人がいれば、招かれない人もいます。そのため後から知って「どうして呼ばれないのか」「冷たい人だ」「義理はないのか」など不満を言ってくる人も中にはいます。
特に親族や地域との関わりが深く濃いところでは、このようなトラブルに発展しやすいです。
(2)後日の弔問対応
家族葬が終わってホッとする間もなく、どこから知って来られたのかわからないですが、直接自宅へ弔問に来られる方がいらっしゃいます。
それも、今日は一人、明日も一人、週末は三人というように、バラバラと来られることが多く、前もって連絡なしで来られる方もおられるので
- 家を空けられない
- 故人しか知らない人なので自宅へ上げたくない
- 自分たちの時間が使えない
というように、かなりのストレス原因になる可能性も出てきます。
場合によっては、葬儀の後ですから相続手続きを行っているときに弔問客がバラバラとやってくると、ストレスもマックスになってしまうかもしれません。
3: セレモニーをスムーズに進める葬儀社の選び方
あなたが家族葬を検討し、葬儀社を選ぼうと考えたときには、次のポイントを参考にしていただきたいと思います。
(1)見積もりよりも相談できる
いきなり「見積もりします」という葬儀社ではなく、あなたの希望や状況を聞いてくれ、相談できる葬儀社を選びましょう。
(2)書面で見積もり&書面で契約
家族葬が一般的な葬儀よりも費用が安いとは言え、1万円や2万円ではありません。
ですから口約束ではなく、見積もりも契約書もすべて書面で渡してくれる葬儀社を選びましょう。
葬儀はバタバタするものですから口約束だけで終わってしまうところもあります。ただこういった場合、葬儀の担当者が変わると話が伝わっていなくて請求書を見ると「追加料金」になっていたということもあります。
仏心葬祭の場合ですと、私が最初から最後までご担当いたしますので、このようなことは起こりませんが、それでも書面でお渡しし安心していただけるよう心がけております。
(3)急がせないことも重要
葬儀は緊急性が高い事柄です。
そのため葬儀社によっては、今すぐ契約しないとダメです、というようにかなり押しの強い営業をしているところもあります。
でも、それはあなたの葬儀を主体に考えていない結果です。必要なのはあなたが納得できる葬儀を行えるかどうかです。
4: まとめ
家族葬について紹介していきました。
家族葬は、今の時代背景に合った葬儀の一つだと思います。
ですから家族葬はこれから増えていくと感じています。
ただしデメリットでもお話しましたが、親族や地域によっては受け入れてもらいづらい形式であることも確かです。
こういった特性も含めて相談できる葬儀社を選び、あなたが後悔しない葬儀を行ってください。