わかりにくい葬儀の準備と流れを簡単にまとめました
突然訪れるのがお葬式です。結婚式とは違い、前もって準備をする時間がありませんので、何をすれば良いのかわからなくなりパニックに陥ってしまう方もいらっしゃれば、頭の中が真っ白になってしまい、何も考えられないまま時間だけが過ぎてしまう方もいらっしゃいます。
最近では親戚の葬儀や会社関係の葬儀などへ参列する機会も減っています。そのため、見る機会すら少ないので「全くわからない」という方もいらっしゃいます。これは年代に関係なくおられます。
50代、60代、70代の方も「過去に参列したけれど覚えていない」という経験もあると思います。
今回は、そんな「覚えていない」「わからない」を少しでも解決していただくため、葬儀の流れと準備について基本的なことをお話していきます。
目次
1: 葬儀までの流れ
まずは、葬儀までの流れについてお話していきます。一番流れがわからないところだと思います。
ひとつひとつ、小さく区切って流れを理解していってください。
(1)ご臨終から安置
最近では病院や施設で亡くなられる方が増えています。そのため、亡くなられた後は医師が速やかに「死亡診断書」を書いてくれます。
ご自宅で亡くなられた場合は、慌てずに「かかりつけ医」へ連絡を取ってください。「かかりつけ医」がいらっしゃらない場合は救急隊、または警察へ連絡してください。
続いてご遺体の搬送が行われます。病院や施設で亡くなられた場合、安置スペースが少ないなどの理由で速やかな搬送をお願いされることがあります。
こういう場合ですが、慌てなくて問題ありません。まずは病院から紹介してもらった葬儀社にご遺体の搬送と安置を行ってもらってください。ここで注意したいのが、搬送と安置をお願いした葬儀社へ、必ず葬儀を頼まなくても問題はないということです。
「搬送と安置」と「葬儀」は別の葬儀社へお願いしても失礼なことではありません。
(2)安置後
気持ちを少し落ち着かせてから葬儀社を探しましょう。搬送と安置を行ってくださった葬儀社さんと相性が良ければ、そのままご依頼されても良いです。
他に契約した葬儀社や、亡くなられた方が決めていた葬儀社があれば連絡を取ってください。
続いて近しい身内と呼べる方へご連絡ください。最近では連絡手段が増えていますが、迅速に間違えることなく伝わる「電話連絡」がこの場合は適しています。
(3)喪主を決める
できるだけスムーズに喪主様を決めましょう。というのも、葬儀社と打ち合わせをする際に喪主様が決まっていないと進まないからです。
あくまでも一般的な考え方ですが、
- 故人の配偶者がいらっしゃる場合は「配偶者」が喪主に
- 故人に配偶者がいらっしゃらない場合は血縁の深い順
- 故人に配偶者も血縁者もいらっしゃらない場合は友人や知人
生前に「成年後見人制度」を活用されていた故人様であれば、前もって喪主様を選定されている場合もあります。
(4)納棺
納棺を行います。思い出の品を入れる慣例がありますが、最近では火葬場での問題があり、
- メガネ
- 時計
- ビン類
- カン類
など、燃やすことで有害な物質が発生する可能性のあるものを入れることはできません。
注意しておいてください。
また、現金なども入れることはできません。
(5)病院や役所
必ず喪主様が手元に持っておいていただきたいのが、病院で発行してもらった「死亡診断書」です。
そして、もう一つは役所から発行される「火葬許可証」です。
火葬許可申請に関しては、葬儀社の担当が代行してくれます。
とにかく、この2つの在処を曖昧にしてはいけません。できれば、喪主様がしっかりと持ち続けておかれるのが安心です。
(6)枕経のご依頼
最近減りましたが「枕経」というものがあります。亡くなられてすぐにお経をあげてもらうことです。
僧侶様へお願いされても良いですし、仏心葬祭でしたら代表の小川が枕経を読経させていただくことも可能です。
(7)お通夜と葬儀の打ち合わせ
お通夜と葬儀の日取り、内容、費用を葬儀社と打ち合わせしていきます。
葬儀の日程に関してですが、火葬場の空き状況とも関係してきます。また、宗教者様のご都合も関係してきます。
葬儀社の担当と一緒に、まずは日程を決めていきましょう。
続いて、どのような葬儀にするのかを決める必要が出てきます。葬儀の内容に決まりはありませんので、後悔されない内容を検討してください。
内容が決まりましたら費用面の打ち合わせになります。予算とのすりあわせになりますので、ここでも無理をなさらず、じっくりと検討してください。
2: お通夜の流れ
お通夜の流れをお話します。
これまでに何度かは参列された機会もあると思いますので、比較的わかりやすいと思います。
(1)式場へ集まる
まずは式場へ喪主、遺族が集まってください。
お通夜が始まる1時間前には集まっておけると余裕を持てます。
集まりましたら、受付の準備や世話役などの役割分担と段取りを確認します。葬儀社の担当へ任せてもらっても問題ありません。経験から段取りを分かっていますので、相談していただきたいところです。
(2)受付
受付を開始します。
参列者への挨拶を受付係と喪主が行うことが多いです。ただし、喪主様やご遺族様はお通夜の開式15分前には着席ください。
(3)開式~読経・焼香~閉式
式の進行は葬儀社の担当が行いますのでご安心ください。
僧侶の読経から焼香を行います。宗派によって流儀がありますので、その流れに従って順番にご焼香ください。
最後は喪主の挨拶を行い、式が終了となります。
(4)通夜振る舞い
通夜が終わってから、故人を偲んで振る舞いをされる地域もあります。
3: 告別式の流れ
告別式の流れを見ていきます。
(1)式場へ集まる
お通夜と同じように、告別式が始まる1時間前には集まってください。
喪主様は葬儀社の担当と段取りを確認しておきましょう。
(2)受付
受付を開始します。告別式の30分前くらいから始めるのが一般的です。葬儀社の担当がお伝えしますので安心してください。
(3)開式~読経・焼香、弔辞・弔電~閉式
宗教者様の入場から始まり、読経が始まります。
その後、弔辞や弔電の紹介が行われます。
僧侶の焼香が行われた後、喪主様、ご遺族様、一般参列者様の順に焼香を行います。この流れもわかりにくいものなので、葬儀社の担当がご案内いたします。
参列者全員の焼香が終わりましたら閉式となります。
(4)出棺~火葬~骨上げ
棺の中のご遺体と最後のお別れを行います。その後、棺を霊柩車へ乗せ、喪主が参列者へ挨拶をして出棺します。
火葬場では、僧侶の読経、焼香を行います。
火葬には40分~2時間くらいかかることが多いです。そのため、控え室で待機いただくことになります。
火葬が終わりましたら、遺骨を骨壺へ納める「骨上げ」を行います。
火葬場の担当者が手順を教えてくれますので、その流れに沿っていただければ問題ありません。
ここで注意しておきたいのは、「埋葬許可証」を受け取ることです。埋葬許可証はこの後に必要なので紛失しないように気をつけてください。
(5)法要
還骨法要を実施します。自宅か葬祭場で行われることが多いです。
(6)精進落とし
僧侶を交えて遺族と親族による精進落としを行います。
精進落としでの挨拶の順番などは、葬儀社の担当にご質問ください。
4: 葬儀後の動きも忘れずに
(1)葬儀の精算
精算と申しましても「お金」だけではありません。
葬儀代金の精算も大切ですが、次のような精算も忘れずに行ってください。
- 葬儀事務の引き継ぎ
- 名簿や名刺、香典・香典帳、弔辞弔電、会計収支記録、請求書・領収書の受け取り
- 遺族代表の宗教者への挨拶回り
- 葬儀の際にお世話になった人への挨拶回り
- 会社関係への挨拶回り
- 香典返しと忌明けの挨拶
- 一周忌までに納骨を済ませる
(2)葬儀後の手続き
ここからが忘れやすい部分なので気をつけておきましょう。
- 公共料金、NHK、賃貸契約、電話加入権などの名義変更
- クレジットカード、電話(携帯や固定)、WEBサービスの解約
- 免許証、パスポートの返納と無効手続き
- 死亡退職届の提出
- 健康保険の被扶養者移動届
- 年金受給の停止
- 故人が世帯主だった場合は世帯主変更
- 介護保険の資格喪失や保険証の返却
- 国民健康保険加入の手続き
- 生命保険の請求
- 遺族年金の請求
- 医療費控除の手続き
- 高額医療費の申請
- 国民健康保険の葬祭費の請求
- 健康保険の埋葬料の請求
最後の「葬祭費の請求」「埋葬料の請求」は特に忘れやすいのでご注意ください。
5: まとめ
葬儀の準備と流れをお話しました。
まずはザックリと概要として流れを確認頂きたいと思います。
そして、それぞれのタイミングでは葬儀社の担当と相談しながら進めていただけると余裕を持っていただけます。
葬儀社を選ばれるときは、葬儀前から葬儀後の法事に関することまでご相談いただけるところを選んでください。その方が喪主様もご遺族も安心できますし、それぞれのタイミングでの振る舞い方に悩むこともありません。