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遺骨の送り方~遠方に納骨される方へ

 
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大切な方のご遺骨を納骨されるとき、納骨先が遠地にあり、なかなかご自身でご遺骨を持参されるのが難しい。そんなケースもございます。

 

そんなとき、ご検討いただきたいのが今回のお話。遺骨を送るという方法です。

 

 

1: 遺骨は送ることができます

遺骨に関してですが、そもそも納骨先へ送ることができるのか。法的な問題はないのか。気になることもありますが、あまり世間には出ていない話なのでわからないままになっている。そんな方もいらっしゃいます。

 

(1)法的な問題

はじめに「遺骨を送る」という行為について法律的な問題があるのかどうかと申し上げますと、特に法律的な問題はありません。

 

というのも、遺骨を配送してはいけないという法律は存在していないためです。

 

遺骨に関して、埋葬やお墓の移動に関しては法律に規定されています。しかし、配送に関する規定はありません。

 

また、遺骨は必ずしも納骨先となる寺院などへしか送れないという規定もありません。普通の荷物を同じように、個人間でも送ることができます。

 

(2)配達業者の制限

このように「送る」という部分を見ると何の制限もありません。しかし、配送業者によって制限があります。

 

というのも、現在の国内配送業者大手は以下の3つです。

 

  • ヤマト運輸
  • 佐川急便
  • 日本郵便

 

この3つの中で、ヤマト運輸と佐川急便は「破損や紛失の責任がとれない」という理由から、遺骨の配送を請け負っていません。ヤマト運輸や佐川急便のホームページをご覧いただき「送れないもの」を見てもらうと「遺骨」が含まれています。

 

いっぽう、日本郵便は遺骨を配送することができます。大きさは60~170サイズ。重さが30kgまで。

 

ごく一般的な配送物と同じ大きさなら配達してくれるということです。

 

国内における遺骨の配送は、法律的な制限はありませんが、配送業者によって制限があるということを覚えておいてください。

 

(3)送骨という選択

菩提寺や霊園が遠方にある場合、遺骨を送る「送骨」という選択肢が現在はあります。

 

この方法、高齢者の方や持病で外出が難しい方が遠方へ移動する負担を減らしてくれます。

さらに最近では後継者がいないため、遠方でも眺めの良い場所で永代供養を行っている霊園を選ばれる方も増えているという理由もあります。

 

今後は「送骨」という選択肢を選ばれる方も増えていくと思います。お墓を世話する後継者がいらっしゃらない場合、または後継者に負担を背負わせたくない場合、送骨という方法で故人の気に入った場所へ永代供養されるのも良い選択だと思います。

 

2: 国内での遺骨の送り方

国内での遺骨の送り方についてお話します。

 

(1)交通機関を利用

遺骨を移送される場合、もっとも使いやすいのが公共交通機関。

 

  • バス
  • タクシー
  • 電車

 

これらの交通機関を使って遺骨を移送するのは問題ありません。許可証なども必要ありません。

 

当然ですが、自家用車で移送されるのも問題ありませんし、移動のときに自動車専用道路を利用するのも問題ありません。

 

(2)配達を利用

先ほどお話しましたように、国内での遺骨の配送は「日本郵便」だけが可能です。

 

配達で気をつけたいのは、送ってはくれますが「通常の荷物と同じ扱い」になることです。そのため、骨壺が割れないように丁寧な梱包が欠かせませんし、発送伝票へ「割れ物」と記載するようにしておく必要があります。

 

墓地から骨壺を出した後に配送する場合、骨壺の中に水が溜まっていることがあります。水が溜まっている場合は、配送する前に乾かしておきましょう。

 

(3)空路を利用

飛行機を使って国内の遠方へ遺骨を送りたい場合。

 

ここのケースが一番やっかいです。というのも、利用する航空会社のルールに従う必要があります。でも、航空会社のホームページなどには、具体的なルールが記載されていないケースが多いのです。

 

そのため、利用する航空会社へ直接確認する必要があります。

 

航空会社によっては、死亡証明書や火葬証明書の提示が必要な場合もあります。また、骨壺ではなく、航空会社が定めている容器を使わないといけない場合もあります。

 

3: 国内で遺骨を送る場合の注意事項

次の注意事項があります。

 

(1)ご遺骨の送り方

ご自身で持参されるのではない場合、日本郵便を利用して送骨されるのがおすすめです。

 

日本郵便で送骨される場合ですが、送り先へ予め相談し、遺骨を送ることを話しておく必要があります。

 

いきなり遺骨だけを送ってはいけません。送られた側も困りますし、予定に無い荷物は受け取り拒否されてしまう可能性が高いです。

 

(2)送るときに必要なもの

日本郵便を利用して遺骨を送る場合、次のものを用意しておきましょう。

[1]ダンボール

骨壺を入れるダンボールです。骨壺が少し余裕を持って入る大きさにしましょう。

[2]養生テープ

配達中に骨壺が動かないよう、養生テープを使ってダンボールの内側に固定します。

[3]ガムテープ

ダンボールのフタを閉じるときに使います。

[4]油性マジック

故人の名前を記入するのに使います。水性マジックですと、配達中に万が一、水に濡れてしまったら消えるので、油性マジックを使いましょう。

[5]新聞紙や梱包材

梱包するとき、ダンボールと骨壺のスキマを埋める緩衝材として使います。骨壺が汚れるのが気になる方は、小さなナイロン袋へ新聞紙を丸めて入れ、それを緩衝材として使ってください。新聞紙はナイロン袋に入っているので汚れません。

最近ですと、100円均一で緩衝材が販売されていますので、身近に無い場合は購入されることをおすすめします。

 

(3)梱包について知っておきましょう

[1]水抜き

ずっとご自宅に骨壺があった場合は問題ありません。

骨壺が墓地や納骨堂にあった場合、骨壺の中に水が溜まっていることがあります。

そのまま配送すると、中の水がこぼれてしまいますので、骨壺の中の水を抜くようにしてください。

水が溜まっていた場合は、水抜きをした後、フタを明けて乾燥させておくと安心です。

[2]フタを固定

骨壺のフタですが、簡単に開いてしまうものもあります。養生テープを使ってフタが開かないように固定しておきましょう。

ガムテープやセロハンテープを使うと、テープの後が骨壺に残ってしまうことがあります。気にされる方は養生テープが一番です。

[3]故人の名前を記載

骨壺へ直接、故人の名前を記載いただいても構いませんし、故人の名前を記載したメモを養生テープで骨壺へ貼られても構いません。

ここでの注意は先ほどもお話しましたとおり、故人の名前が消えてしまうと大変なので「油性マジック」で記載しておくことです。

[4]ダンボールへ入れます

骨壺を骨箱へ入れます。骨箱がない場合は骨壺のままでかまいません。

ダンボールの底の部分にタオルを敷きます。底のクッション材として機能します。また万が一、骨壺の底に水が溜まっていた場合の水漏れ防止にもなります。

骨箱(骨壺)をタオルを敷いたダンボールへ入れます。横と上の部分にスキマができますので、緩衝材を入れて動かないようにしてください。

[5]申込書などあれば同封

遺骨を送る先からのご要望で、申込書などがあれば同封してください。

送骨先で納骨される場合、「埋葬許可証」が必要になることがあります。この場合、遺骨と一緒に送ることになりますが、念のためコピーを取っておくようにしましょう。

既に納骨されていた骨壺を他の場所へ移す場合、今まで骨壺のあった自治体から「改葬許可証」を入手し、こちらも一緒に送る必要が出てきます。

[6]梱包して日本郵便へ

ガムテープでダンボールをしっかり梱包します。

送付状には「骨壺」と書いても良いですし、直接的すぎるから躊躇される方は「陶器」と書かれても問題ありません。

そして「コワレモノ注意」のシールを忘れずに(シールは日本郵便でもらえます)。

梱包が終われば、日本郵便の窓口から配送してください。荷物の引き取りも連絡すれば来てもらえます。

 

(4)注意点があります

今回、国内でのお話をしております。海外へ遺骨を送られる場合、相手の国よって手続きが必要になることが多いです。

 

必ず事前に「相手国」のルールや必要書類について確認しておきましょう。

 

4: 送られる方は遺骨ペンダントもご検討ください

遠方へ遺骨を送られた後、少し寂しく感じられる方もいらっしゃいます。

 

そういう方には「遺骨ペンダント」というものがあります。大切な方の遺骨を身近に持つことができるジュエリーです。

 

遺骨を送ってしまってからですと遺骨ペンダントが作れませんので、送る前に骨壺の中に水が溜まっていないかどうか確認するとき、細かな遺骨を少量取り出しておくと作れます。

 

5: まとめ

「送骨」という方法があります。故人が遠方への納骨を希望しているけれど、持参するのは難しい。そんな方に検討いただきたい方法です。

 

そして、最後にお話しました「遺骨ペンダント」。遠方に遺骨が移っても、身近に感じられる方法です。

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